行き神様のような表情の高橋是清の本
明治45年発行の本を復刻した本のだろうが、
今読んでも面白い。
そして今後の日本を憂いて色々書かれてあるが、
全てその通りになってしまい
高橋是清さんが予見したようにダメダメな国になってしまった。
ではなんでダメダメになったのか色々書かれておりましたが、
その一つがすごく的を得ているので書かせてもらう。
「もとより我が国の文明はことごとく輸入したものに違いない、
儒教でも仏教でも皆そうである。
しかしながらその儒教でも仏教でも一度日本に輸入して来ると、
日本特有の儒教となり仏教となって調和が保たれているのである。
というのは昔の人は外国の文明を消化し、同化する力があったからである。
しかるに今の外国文明を輸入する人達には、それを消化する力も、同化する力もない。
ただ外国の物をそのまま鵜呑みにするという風であるから、そこに矛盾が起こり撞着があって、調和していく事が出来なくなる。
消化力がないものが、やたらに物を食う程危険なことはない。
食えば食う程身体が害ってしまう。
あたかもそれと同じ事で今の日本は不消化病に罹っていながら、何でも珍しい物を観さえすれば食べたがる傾きがある。
このままにしていたならば、健全な五体も遂に遠からず衰弱してしまうであろう。
否、既に我が国の徳風は毀損されつつあるではないか。
世の識者の一考を煩わすゆえんである。」